波と蔓草



「――――おい」

「何です?」

「・・・・・・・・、それ、」

「ああ、これですか?つい先日ラスから頂いたものなんですが。
 一体どこからこんな綺麗なお皿を手に入れてくるんでしょうね。
 あ、それは貴方にも言えることなんですけど」

「・・・頂いた、って・・・・・。いつの間にラスタラクスがうちに・・・」

「結構よくいらっしゃいますけど?知らなかったんですか?」

「・・・・・・・・初耳だ、な・・・!」

「二枚頂きましたから私とアルフで分けましょうね。
 絵柄は違いますけど、専用に出来ますし。ちょうど良かった」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「では、アルフはそちらの青い波模様のほうで。私はこちらのお皿にします」

「・・・・・・や、お前には青のが合うんじゃねぇの?」

「そうですか?けど私は蔓草模様のほうが気に入ったんですよ。
 綺麗な葡萄色だと思いませんか」

「まぁお前が気に入ったってんなら俺はかまわねーけどよ、」

「貴方の瞳と同じ色ですよね」

「ッ!!」

「ちょ、なに落としてんですか馬鹿!」