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〈カップル・コンビに10の質問〉
〜「魔狼と王子様」・アルファルド&シャート編〜
01:叩かれたらどうしますか?
「あ? シャートにってことか? そりゃ何でか聞くけど」
「おやおや、随分とまあ悠長な魔物ですねえ」
「んだとコラ。じゃあ問答無用で構わねぇんだな?」
「もちろん。いつでも心の準備は出来ていますよ。後は貴方の気持ち一つで」
「そ、そうか」
「どうしました? 急に頬があ「黙れ」
02:食べ物をとられたらどうしますか?
「そうは言われましても、アルフと私は基本的に対極な主食ですし」
「ま、お前が肉喰いてえっつーんならいつでも喰わせてやるけど」
「いやだ、まるで若い娘にねだられた男のような口ぶり」
「何だその例えは!!!」
03:告白されたらどうしますか?
「別に、どうもしねえ」
「酷い。人の真摯な想いをそんな・・・・」
「何でお前が傷ついてんの?!」
「では、貴方に想いを告げても無駄ということですね」
「・・え・・・・・・・・・・?」
「可哀そうな趣味の女性達。私には関係ありませんが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「私はちゃんと対応致しますよ。女性限定ですが。男の場合は、まあ、それな
りに」
「お前何やった?何やった?」
「この世には、知らなくて良い事というのは兎角多いものです」
04:パートナーが死んだら?
「泣きはしません」
「酷いなお前」
「二度と笑うこともありません」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「兎は寂しくても死にませんが、人間こそ独りでは生きていけない生き物なの
です」
「・・・・・・・・ふぅん・・・」
「と、言うのが熱愛中の恋人同士の解答例でしょうか」
「お前の話じゃねえの?!!」
「あはは、私がそんな、脆弱な精神の持ち主だとでも?」
「―――そうだな、お前は俺が居なくなっても逞しく生きてくんだろーよ!
次はラスタラクスとでもな!!」
「いいえ? 貴方が居なくなったら、私は魔の森から去りますが」
「へ?」
「ですので、私より先に死なないで下さいね。私、ここの暮らしが気に入って
るんです」
「・・・・・・・お、おぅ」
05:パートナーを、ひとことで言うと?
「美人」
「犬」
「「・・・・・・・・・・。」」
「―――お前何だその答えは?!俺は魔狼だっつーの!!」
「貴方こそ何のひねりもない答えで」
「褒めてんだろーが!」
「私は外見しか特記するものが無いんですか?」
「そーゆーコトじゃなくてよ、第一印象っつぅか」
「それを言うなら私だって」
「どう考えてもお前の方が最低だ」
「面食いな魔物なんて救いようが有りません」
「「・・・・・・・・・・・。」」
06:パートナーのチャームポイントはどこ?
「毛皮です」
「けがわ・・・・・?」
「言ったでしょう?私は黒が一番好きなんです。それに貴方の尻尾って大きくっ
てふかふかで、それに包まれて眠るのが目下一番の楽しみです」
「・・・・・・・・。俺も、お前の髪はイイと思うぜ。歌わなけりゃ声も、眼も捨て難
いが」
「要するに全部好き、と」
「んななななななな」
「私もです」
「な!!」
「だって貴方、全身毛に覆われてますしねえ」
「・・・・・・・・・・・・・もう帰りてぇ・・・・」
07:パートナーの癖は?
「なんか考えてる時は唇に指あててるよな」
「どこ見てるんです、いやらしい」
「お前が悪い」
「おや、否定しないんですか?」
「アレ見てっと無性にムラムラすんのは事実だ」
「・・・・・・・そうですか」
「微妙に半開きになったりしてっと歯と舌が、イデッ?!!」
「・・・・・・・・・」
「おま、急に何すんだよ?!」
「初めの解答が事実かどうか確認しただけです」
「嘘つけ、お前嘘ついてる時ちょっと斜めを―――すいません何でもないです」
「アルフの癖は性的嫌がらせですね」
「すげえ言いがかりだなオイ」
「ああ、本当に無意識なんですね。貴方、寝てると、よく・・・・・」
「何だよ何なんだよ変なトコでやめんじゃねーよ」
「良いのです、良いのですよ。私は居候の身、どんな仕打ちも甘んじて受けま
しょう」
「お前のドコが殊勝な居候なんだよ・・・・・!!」
「文句の一つも言わず舐められている所です」
「!!?!?――う、うッ、」
「嘘じゃありません」
「――――!!!!」
08:パートナーの長所・短所をどうぞ。
「そうですねえ、アルフは魔物、しかも魔族とは思えない程お人好しですねえ。
それが長所であり短所でしょうか」
「別に人間に優しくした覚えはねえぞ」
「私を何だとお思いで?」
「お前はお前だ」
「・・・・・・ああ、後、馬鹿正直な所もです」
「はぁ? お前だって何だかんだ言って甘ぇじゃねーか」
「ふふ、そうですかねえ」
「・・・・・お前の短所はアレだ、嘘笑いだな。この秘密主義者め」
「お互い様でしょうに。それに、人は秘密を持つほど魅力的になるそうです
よ?」
「うさんくせーな」
「捕まった魔狼の言う台詞ではありませんね」
「お、俺がいつお前に捕まったって、」
「魔物が棲家まで引き入れておいて今更何を・・・・。・・・・でもまあ、秘密など無
くても、ね」
09:パートナーにひとこと言いたい。
「お前、その何でもかんでも誑かすのはやめろ」
「随分な言い草ですね。いつ私がそんな発情期の雌のような真似をしましたか」
「あのワケ判らん魔術師だけならまだしも、なに高位の魔物まで手玉に取って
んだよ」
「いやだなあ、ラスは良い友人ですし、スリュムだってそうです」
「スリュムはいいとして、ラスタラクスは違ぇだろ」
「大穴という言葉を知っていますか。もしくは盲点」
「―――スリュムか?スリュムなのか?!」
「何の話です。仮に私が高位の魔物を手玉に取っているとして、その筆頭に挙
げられるべきはアルフ、貴方自身でしょうに」
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
10:これはまかせた!
「万が一、私が魔の森にいることが知られた場合、迎撃追撃殲滅をよろしく」
「何なんだその陰惨な対処法は」
「魔の森の流儀に従ってみたんですが」
「いつからここはンな血塗られた場所に」
「まあそれが駄目でしたら、どこか遠くへ高飛びでもしましょうか」
「もうすっかり犯罪者なのな」
「ほら、“夜と霧の国”なんてどうです? 魔の森とは比較にならない完璧な潜
伏場所」
「アホなこと言ってんじゃねえよ!お前、そこが何だか判ってんのか?」
「高位の魔物だけが住まう国ですよね」
「知っててその呑気な台詞か!!」
「へえ、本当に実在したんですねえ。いつか見てみたい」
「お前なんぞがのこのこ行ったら一瞬で嬲り殺しだ」
「おや、案外生ぬるいんですね。生き人形程度にはされるのかと思ったんです
けど。甘い死や狂気など与えられず、永遠に続く――」
「うん、お前いっそ人間捨てればいいよ。十分“夜と霧の国”でやってけるよ」
「それも良い選択肢ですね」
「・・・・・・・・や、お前の髪、すげえ見事な聖色だからよ。やっぱ魔物なんて似合
わねえよ」
「言ってる事が矛盾してますが」
「うっせ」